日銀短観によると、3月時点の2025年度の想定為替レートは1ドル=147円06銭となっている。日銀は4月30日~5月1日の日銀金融政策決定会合において、政策金利の据え置きを決めた。植田日銀総裁は「トランプ関税の影響が不透明」とし、利上げは「1年以上、先のこと」(大手証券)との認識が明らかにされている。
3月決算企業の想定為替レートは1ドル=143円がらみだ。年初よりも円高にシフトしている。さて、全般相場の戻りのメドは7月中旬、上値は3万7500円がらみとなろう。10月にはマイクロソフト(MSFT)の「Windows 10」のサポート切れとなる。世界的に、PCの買い替え需要が盛り上がるだろう。
トヨタ自動車(7203)の2026年3月期の想定為替レートは1ドル=145円だ。輸出関連セクターは買いづらいが、トランプ関税、為替次第では短期的な戻りがあろう。ニデック(6594)、イビデン(4062)、パナソニック ホールディングス(6752)などの反発が期待できる。
トランプ関税の日本との交渉について、ドナルド・トランプ大統領は「あせっていない」とことさら強調しているが、これこそがあせりの証拠だろう。彼は1月20日の就任以来、目立った成果を上げていない。日英の関税交渉は決着した。しかし、2~4月のマーケットでは株安、ドル安のほか金利上昇などマイナス材料ばかりだったが…。
関税の上乗せ分の交渉相手国との期限(90日の猶予)は7月9日だ。7月には債務上限問題(国債発行が不可能に)が再燃する。支持率が急落(直近の世論調査では支持率39%、不支持率55%)しているだけに、何とか“汚名返上”といきたいところだろう。ただ、中国などには足元を見られている感じがする。
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