バークシャー・ハサウェイ(BRK-A)は5月3~4日の株主総会において、ウォーレン・バフェットCEO(最高経営責任者)が今年の年末に退任し、グレッグ・アベル副会長(62歳)を後継者にする、と発表した。バフェット氏は会長に留任する。94歳から一気に、32歳も若返る。ひとつの時代が終わる。
ただ、この人事は予定のコースである。アベル氏はカナダ・アルバータ州エドモントンの労働者階級の家に育った。アルバータ大学を卒業している。苦労人だ。バフェット氏は2年前に、「後継者は彼だ」と広言していた。バークシャー・ハサウェイの経営に変化はないだろう。多くの市場関係者の関心はそこにある。
日米両市場ともに、短期的な反騰態勢に入っている。アメリカの巨大IT企業の決算は慎重な見通しが示された。アップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などがそうだ。やはり、トランプ関税の影響が大きい。しかし、NYダウ、ナスダック指数は堅調である。米中の関税交渉の期待が株高に繋がっている。
日経平均株価は3月下旬~4月下旬に、異例の「5空」を形成、4月7日には3万0792円の瞬間安値まで売り込まれた。悪材料の続出(トランプ関税→世界景気後退の懸念)、ドル安リスク、1ドル=139円台の円高に加え、フィッシングによる口座乗っ取りに伴う不安心理の高まりなどがあった、と思う。
しかし、すでにチャート的には「2空」(上限3万5426円)、「3空」(同3万6864円)を突破(窓埋め)、力強い値動きをみせている。QPS研究所(5595)、ソニーグループ(6758)、住友ファーマ(4506)、アドバンテスト(6857)、サンリオ(8136)、KDDI(9433)などが強い。為替は143~144円の円安である。
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