為替市場は突然の円高!株価は急騰?

杉村富生 兜町ワールド

昔、「嬉しがらせて 泣かせて消えた~」と唄っていた人がいたが、為替市場では安心させておいて、突然の円高である。一時、139円台があった。ただ、その後は142143円に戻っている。だが、安心はできないだろう。

1回目の日米関税交渉では「為替は話題にならなかった」という。これはおかしい。日本側は何かを隠している。筆者は「違う」と主張した。まあ、“顔合わせ”の和気あいあいムード(笑顔)にだまされる方がおかしいが…。

相手(アメリカ側)はスコット・ベッセント財務長官、ハワード・ラトニック商務長官、ジェミソン・グリア通商代表部代表などくせ者、かつしたたかな連中である。IQ(知能指数)に加え、EQ(心の知能指数)が高い人達だ。人の感情、心を読む能力に優れている。そんな簡単に手の内を見せるはずがない。交渉である。

切り札は最後に出すものだ。米軍の駐留経費の増額(しょせん、2000億円規模の負担増)などさっさと受け入れれば良い。お米は7月の参院選挙前に持ち出すのは交渉術としては愚かなこと。1人区32はすべて農業県である。

円高&関税のダメージが少ないバイオに注目だ。イーライ・リリー(LLY)が開発中の経口肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」を創薬した中外製薬(4519)、早期アルツハイマー症の進行を抑制する治療剤の「レカネマブ」(EU加盟国全27か国をはじめ、アイスランド、ノルウェーなどが承認)を開発したエーザイ(4523)に注目できる。

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