立春を過ぎ、暦の上では春である。豆まきは終わった。しかし、「鬼は外」どころか、「内」に入ってきたようだ。週明け3日の株式市場は大荒れとなった。日経平均株価は1052円(2.66%)安だった。先週末のNYダウの下落率(0.75%)よりもきつい。マーケットでは「トランプ関税をイヤ気」と解説する。これは違うだろう。
確かに、メキシコ、カナダに25%の関税(1ヶ月延期)、中国に10%の追加減税は予想されたこととはいえ、ひどすぎる。今後、関税引き上げの報復合戦が展開されるだろう。ただ、3日の日経平均株価の暴落はトランプ関税だけが主因ではない。DeepSeekショックが尾を引いているうえ、日銀の利上げのダメージがある。
さらに、需給要因だ。ヘッジファンドが売りを仕掛けている。解約売りもあろう。彼らは買いで儲け、売りで儲ける。なにしろ、財務長官のスコット・ベッセント氏はジョージ・
ソロス氏を師と仰ぐヘッジファンドの“親玉”である。財務長官が直接行動することはないだろうが、仲間には無数のヘッジファンドが控えている。
さて、まさに、フジクラ(5803)は「買うから上がる」だったと思う。いや、ちょっと異なる。「上がるから買う」構図だった。他の半導体関連株も似たような状況に陥っている。株価は「天には届かず、地には落ちる」という。急騰→急落はこの世界では日常的に起きる。株価は常に、理不尽である。
だからこそ、先人は、こだわりは禁物と教えている。まさに、「続く流れに逆らうな、ついて行くのが儲けの道」ということ。トレンドに逆行すると、疲れるし、儲けが少ない。損をする。もちろん、上昇局面では「攻めダルマ」に限る。
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