株式投資では“雑学”が意外に役に立つときがある!(中)

杉村富生 兜町ワールド

YKKの戦略はトヨタ自動車(7203)に通じる。高機能車と低価格車の同時投入である。さて、その前に、いすゞ自動車(7202)のケースだ。これまた、何で「筆者が…」といった感覚だった。株価が90円台を割り込み、経営危機が真剣にささやかれていたタイミングだ。大手信用調査会社は「赤」の表示を点灯、最悪の状況である。

いや~、随分と昔の話である。多くの来場者が「うちは大丈夫でしょうか」と。会場には不安そうな顔が並んでいたのをはっきりと覚えている。筆者は断言した。「御社は何の心配もいりません。だって、伊勢神宮さんがついているのです」と。エッ?とけげんな反応をされた。簡単にいうと、いすゞの社名は伊勢神宮の五十鈴川に由来する。

当時、石川島建材工業(その後、IHI(7013)が吸収)があった。この会社の大株主は築地本願寺だった。「仏様がついている」といわれたものだ。これと、キヤノン(7751)は「KWANON(カンノン)」(観音)が語源である。株式市場では「神様、仏様、観音様」といわれていた。そんな会社がつぶれるはずがないじゃないか。

結果はどうだったか。立派に残っているではないか。まあ、株式投資においては“雑学”が意外に役に立つものだ。これまた、昔の話だが、トーメンという会社があった。繊維商社である。経営危機に見舞われ、「倒産確実」といわれた。筆者はトヨタグループが救済する、と唱えた。これは「そんなバカな」とけなされたのだが…。

大阪万博が好評だ。行った人によると、「また行きたい」という。関西地盤の警備会社の東洋テック(9686)は大阪万博特需を満喫している。大阪万博の次はIR(統合型リゾート)だ。大阪ではビックイベントが相次ぐ見通しにある。PBRは0.81倍と出遅れている。玉井商船(9127)には思惑妙味があり、意外な相場になろう。

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